レーザーセッターLS-1Plusはレーザー光線を使ってモニタースピーカーをミリ単位でベストな位置にセッティングする最新デバイス。音楽を判断するために理想的な「二等辺三角形を形成する照準」を極めて簡単な操作で得ることが可能。レーザーセッターでセッティングされたスピーカーシステムからは完全な立体音像と正確なパンニングがまるで視覚的に見えるが如くのリアリティーで聞こえ、デジタルパンポットの0.1単位の変化がリニアに感じ取れる 。位相系の聞き分けには必需品であり、ラージ・スモールを問わずモニタースピーカー位置決定に最高の援助ツール。様々な環境での作業において、また自宅録音スタジオにおいて「標準」を見極めるための重要なアイテムとなる。
レーザーセッターの原理(二等辺三角形の照準とは) スピーカーユニットは単一指向性のマイクと構造的に非常に似通っている。音を「出す」と「入れる」という全く逆の働きであるが、その動作のプロセスは同様のものである。マイクで収音する場合音源に向けてマイクを設置するのは周知のこと。これはマイクの指向性によるものだ。スピーカーも同様に指向性を持っている。音圧のピークラインでのモニタリングはそのスピーカーの持つ再生能力を最大限に享受できる。その位置はスピーカーの正面からの垂線上に存在する。故にスピーカー照準の第一の条件は左右両スピーカーと正対する場所なのだ。次に音波の到達時間を考慮する必要がある。音速は秒速340m早いようだが以外と遅い。大会場でのステージ等で見える演奏と音がシンクしないのは光に対して音の伝わりが極端に遅いからである。この点においてスピーカーからの距離は極めて重要だ。テストトーン10kの位相ずれを認識できる耳は二本のスピーカーにおける約8mm以下の距離ずれを十分認識可能。20kならば4mm以下の距離ずれまで認識可能である。第二の照準条件は左右両スピーカーと等距離の場所なのだ。以上の二条件によって構成される最高の照準の決め手は正確な二等辺三角形。レーザーセッターはミラーとレーザー光線により第一条件の左右両スピーカーと正対する角度を導き、伸縮の極めて少ないダイニーマ採用のメジャーツールで第二条件左右両スピーカーの等距離を導く。レーザーセッターは経験を超越した道具でありビギナーからベテランに至るまで新時代の標準ツールとして活用してほしいアイテムなのだ。
近距離セッティング 作業時のヘッドポイント近辺に照準を合わせるセッティング。作業者が主体となるプロダクションに最適。 直前直後の2種がある。 直前10〜15cm 長所:高精度のニアフィールドモニタリングが可能な上、ヘッドポイント以前で音圧のピークラインがクロスするため作業時に少々ヘッドポイントがずれても中央定位している素材は確実に中央に定位し続ける。 短所:横位置にある機材等構造物からの反射の影響を受けやすい 。広いスペースでのディレクターテーブルやクライアント席等、遠距離へのサービスは音場が狭くなる傾向にある。 直後5〜30cm 長所:最高精度のニアフィールドモニタリングが可能。 短所:耳の位置に音圧のピークラインを直接ぶつけるため当たり所が極めて狭い。インライン配置の2wayもしくはシングルコーン以外ではユニット間の距離差による不整合が生じる。2wayでは高低各ユニットの中間の高さに耳の位置がくるようにする配慮が必要。